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もう、画鋲を踏まなくなった

by kikoko

今日は雨だった。

今日は上司から怒られた。

今日は残業で帰るのが終電ギリギリだった。

今日はビールを一缶しか飲んでないのに悪酔いした。


毎日、数えだしたらキリがない。
少しでも癒やしが欲しくてスマホを見てたらあっという間に会社に着いてしまう。

帰宅途中にいつも寄ってたツタヤも、いつしか週3になり、今は二週間に一回程度になってしまった。

帰宅すればいつも同じコンビのお笑いを見て、
同じグループの音楽を聴く。


会社にいるのか自宅にいるのか分からないぐらい、
やってることは同じ。

画面を見て、キーボードを叩いて、ごはんを食べて。
切れ目がない。境目がない。終わりがない。


まるでスマホゲームのような。

退屈を埋めるために、すべてが回ってるかのような錯覚を覚える。


そういえば、画鋲を踏んだりすることって無くなったなと、ふと思った。

幼稚園児のとき、小学生のとき、よく踏んでたなあって。


すっごく痛いの、足が。
でも画鋲って細いから、大してどころか、全く血が出ない。

それが余計に意味分からなくて、ただただギャーギャー泣き叫んでた。


泣いてばかり、ミスってばかりの昔と比べると、今の自分って驚くほどミスが減ってるよなって思う。

すぐに落ち込んだりするけれど、ぼくにだって、
たしかに成長してる部分はあるんだぞと胸を張れるんだもん。


画鋲が落ちてるとこには近づかないし、
画鋲を踏んだりもしない。


大人になったんだ。


ぼくの中にちょこんとあった椅子も、もう大きなソファになってる。
どうだ。ぼくだってやればできる。



みんながぼくを弱虫だって言ったことは一度もない。
今は、皆がぼくを弱虫だって言う。


昔住んでいた町は、市へと格上げされる。

中学生のころ担任をしてくれていた先生は、今は徳島にいるそうだ。



どうだろう。ボク。

ずっと下むいて歩くの、やめない?


ちょっとだけ、下、画鋲落ちてるのぐらい知らなくったって平気だよ。

もしかしたら、血、ドロドロになってるかもしれないし、大量出血しちゃうかもよ。


ボクの一日、今、つまんなすぎだよ。


kikoko
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