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じぶんの気持ちの浮き沈みぐらい自分で処理しろよ

by kikoko

思い出して「良い思い出だったな」と思えることを、
今じぶんの胸ではそう思えても、それが一気に憂鬱のタネになりうるってことがある。

思い出に自分一人で浸るとき、
たいてい登場人物たちはじぶんにいい思い出を与えてくれた人たちで構成される。
イヤミを言ってきたヤツ、バカにしてきたやつ、なんか気に入らないヤツ、
そんな奴らははなっから隅に置かれて話が進む。

だからじぶんは悲劇のヒロインにも、みんなを救うヒーローにもなれる。

じぶんという存在が、周りに与えてきた影響は大きいのだ!
だからじぶんを大切にしろ!

そう思いながら、甘い思い出が、だんだん攻撃的な性格を帯びてくるのは時間の問題。

どうして!どうして!どうして!

いつの間にかじぶん以外の人間、モノまでも敵として認識して
妄想を膨らませ始める。


あの当時は、良かったなあ


それでいいのに。

誰もそれから先のことは知りたくない。聞きたくない。話してほしくもない。


元カレが今幸せだとか、
元カノに新しい彼氏がいるとか。

新天地でも上手くやってるよ
なんてことを、当人以外の口から聞きたいなんて誰が言ったんだ。


日々が充実してる
なんて口が裂けても言えない。
あくまで慎ましく、あくまで堅実に生きてますからと

誰に言われたわけではなく、じぶんが勝手に課したルール
他人にも同じように求めてしまう

ルールを守れよ、学校で習っただろ
しょせん大した生活もしてないくせに


汚い。汚い。汚い、醜い。

消え入りそうに青く透ける血管が
力を入れても腕を奮っても
青く、そこにとどまっているだけ


またか、と見下ろす歩道に、犬の糞がある。

少しだけ気持ちが晴れやかになるのを感じながら
今日もつぶやく。


『犬の糞ぐらい処理しろよ...!』





おわり


kikoko
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